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山の手の会・薬害エイズ関連用語集

著者・製作・ごえっち

今後も徐々に更新して行く予定です。

著作権は放棄しておりません。

転写・転載はお断りいたします。

 


あ行

遺伝子組み換え製剤・・・

 人間の血液ではなく、他の動物の組織を遺伝子操作によって組み換え作り出された凝固因子製剤の事。基本的に人由来の感染症を防ぐ事が出来るが、極微量ではあるが人由来の成分も含まれている為、100%防げるとは言い切れないとも言われている。また、他の動物の血液等を原料としている為、未だ発見されていない新種の病原体に感染する可能性は存在しているとも言われている。

医薬品機構・・・

 正式名称「医薬品副作用被害救済・研究振興調査機構」。厚生労働省の外郭団体で、医薬品による副作用などの被害者の救済事業や医薬品に関わる研究事業等を行っている。昭和54年10月15日設立。薬害エイズ被害者に関しては、友愛福祉財団から委託される形で、平成8年度から「血液製剤によるエイズ患者等のための健康管理支援事業」による発症者健康管理手当の支給及び、「エイズ発症予防に資するための血液製剤によるHIV感染者の調査研究事業」による健康管理費用の支給を行っている。

陰性・・・

 科学的な意味合いで言えば「反応がなかった」という意味。HIV抗体検査の結果として見た場合、抗体が体内になかった=感染していないという意味になる。ただしウインドウピリオド(抗体の生産が検査可能な状態になっていない状態)中の検査結果の場合、陰性という結果がイコール感染していないという意味にはならない。

ウイルス量・・・

 ウイルス量とはこの場合、「HIVがどれだけ血液中にいるのか」の数値。ウイルス量は健康状態を調べる上でも必要な事で、治療を始める目安としても使われている。また治療や体調によって増減する。

ウインドウ期間(ウインドウピリオド)・・・

 HIV感染後、HIVが体内にいる事の目印となるHIV抗体が出来るまでには個人差があり、平均6〜8週間、遅い場合には12週間かかる。この間は保健所等の抗体検査を受けても正しい検査結果を出す事は出来ない。

 この期間を「ウインドウ期間」「ウインドウピリオド」と呼ぶ事がある。

 この状態の場合、抗体は検査可能なほどの量が体内で生産されていない為、抗体検査でも感染の有無が判別出来ないが、血液・精液・膣分泌液を介して他者へHIV感染する可能性はある。また、HIV感染の初期症状として風邪に似た症状が一部の人に出る事があるが、医師でも症状のみではHIV感染の有無は判断出来ない。

エイズ・・・

 日本名「後天性免疫不全症候群」。HIVが免疫機能を徐々に破壊してしまう為、他の病気に対する抵抗力が減少し、日和見感染症やエイズ脳症、悪性腫瘍などを発症してしまった状態の事。現在日本では23種類の病気がエイズの発症規準として定められている。

エイズウイルス・・・

 HIVの事。本来はエイズウイルスとは呼ばないのだが、新聞・TVなどの報道では分かり易く伝える為に、使用する事が多々ある。造語のようなもの。

エイズ予防法・・・

 HIV・エイズのまん延を防ぐために作られた事になっている法律。この法律の前身に「らい予防法」があった。あくまでも感染予防を中心とした法律であり、患者・感染者を擁護する為の法律とは言えない。この法律が原因で、HIV感染者・エイズ患者の差別が増長されたとも言われている。

HIV・・・

 エイズの原因となるウイルスの名前。日本名「ヒト免疫不全ウイルス」。人間のリンパ球に好んで入り込み、内部で増殖し免疫系を徐々に破壊してゆく。HIVの含まれた(つまりHIV感染している人の)血液・精液・膣分泌液との濃厚な接触によって、感染する可能性がある。この為、性行為・輸血(含む非加熱製剤の投与)・針刺し事故・注射針の回し打ち・母子感染など、極限られた行為で感染する可能性が生じる。

HIV感染者・・・

 エイズの原因となるウイルス・HIVが体内で生きているが病気を発症してはいない状態の人の事。HIV感染者=エイズ患者という訳ではない。

HIV抗体検査・・・

 世間で「エイズ検査」と言われているのは大抵この検査方法である。HIVそのものを発見する検査ではなく、HIV抗体の有無を調べる事によって感染確認の有無を調べる検査方法である。現在は保健所や病院などで受ける事が出来るが、薬害エイズ事件初期は海外の極一部の研究機関でのみ行う事が出来る検査だった。HIV抗体が検査可能な量になるにはある程度期間が必要であり、平均感染から6〜8週間、まれに12週間かかると言われている。この為、HIV抗体検査を行っても感染の有無が分からない期間をウインドウピリオドなどと呼ぶ。保健所では検査は可能性があってから3ヶ月後と言われているが、医療機関では8週間以降としている場合が多い。

 


か行

カクテル療法・・・

 多剤併用療法の事。抗HIV薬を数種類服用する為にカクテル療法という俗称がついた。この治療法によってHIVが増殖するのを押さえる事が出来る(勿論個人差がある)が、抗HIV薬の副作用はとても強く、また医師の指示なく途中でやめてしまったり、いい加減な飲み方をすると、HIVが薬に対する耐性(抵抗力)を持ってしまい、その薬が以降効かなくなってしまう事がある。また、複数の薬を用いる理由の一つとしては、HIVが薬剤に対する耐性をもってしまう性質があるため、複数の薬を使用する事で、耐性を作る隙を与えずに叩くという部分もある。この治療に使われる薬は、それぞれ服用上の注意(水分の大量摂取が必要であったり、飲み合わせの悪い薬や食べ物・飲み物があったり)がある。医師の指導を守って治療する事も重要なポイントである。HIVの増殖を防ぐ治療法であって、体内で増えてしまったHIVを殺す為の治療法ではない。発症予防の治療法である。

感染経路・・・

 感染とは病気がうつるという意味で、経路は道順という意味。直訳すると「病気(病原体)が他者へうつる際の道順(手段・原因)」という意味になる。HIVの感染経路は「性交渉」「輸血(非加熱血液製剤の投与も含む)」「母子感染」の3つである。HIVの場合、性交渉・注射針の回し打ち・針刺し事故・輸血・母子感染・非加熱血液凝固因子製剤の投与が感染の可能性のある行為となる。

加熱濃縮血液製剤・・・

 濃縮血液製剤を加熱処理する事により、HIVや肝炎ウイルス等を不活化した血液製剤の事。必要な成分を壊さずにウイルス等を不活化させる為に考案された加熱処理方法によって作られている。現在では加熱処理と同時に薬剤によるウイルス等の対策もとられている。

感染証明書・・・

 薬害エイズ感染被害者がHIV感染しているという事実を証明する為に必要な証拠。医師に発行してもらう必要がある。薬害エイズ訴訟に加わる為に必要な証拠書類の一つ。血友病診断書・投薬証明書と合わせて3点セットと呼ばれる事もある。

肝臓病・・・

 多くの人は肝臓病=飲酒などが原因による生活習慣病と考える事が多いが、実際には、肝炎ウイルスが原因で肝臓病になる人の方が圧倒的に多い。

逆転写酵素阻害剤・・・

 HIVがリンパ球の中で増殖する際に使用する物質・逆転写酵素の働きを邪魔する薬。抗HIV薬の一種。カクテル療法(多剤併用療法)に用いられる。

業務上過失致死罪・・・

 業務上過失とは、何らかの業務を行う上で必要な注意を怠る事を指している。業務上過失致死罪とは、「業務上必要な注意を怠った為に相手を死に至らしめた罪」という事であり、殺人罪とは異なる。

禁固・・・

 禁固刑とは自由刑の一種。自由刑とは相手の自由を拘束する刑という意味があり、死刑・懲役刑・禁固刑に大別されており、死刑・懲役刑・禁固刑の順に刑罰は重く、死刑判決の場合には死刑となり、懲役刑の場合監獄に入れられ強制労働が科せられるが、禁固刑の場合監獄へ入れられるが強制労働はない。

クリオ製剤・・・

 1人ないし2人の血液から作られた血液凝固因子製剤の事で、血友病Aの治療に用いられた。薬害エイズ事件当時、日本国内でのHIV感染者数は極めて少なかった事と少人数の血液が原料である点から、HIV等のウイルスの感染原因になる可能性は低かったと言われている。非加熱濃縮製剤からクリオへ転換もしくは、加熱濃縮製剤が早期承認されていれば、HIV感染被害を受けた人の数は少なかったと予測されている。

濃縮血液凝固因子製剤・・・

 数千から数万人から採取した血液を一つのプールに入れ、血液凝固因子を取り出して作られた血液製剤の事で、血漿分画製剤(多数存在する血液製剤の内、血漿成分を中心に摘出して作られた血液製剤の総称)の一種。数千から数万人のうち、一人分の血液でも何らかの血液感染する病原体が混入していれば、同じプールに入った全ての血液が汚染されてしまう。ウイルス等の対策用に加熱処理された製剤を「加熱製剤」、加熱処理されていない製剤を「非加熱製剤」と呼ぶ。血友病Aの患者には第8因子製剤を、血友病Bの患者には第9因子製剤を使用する。

血液凝固因子製剤・・・

 血液から血液凝固因子を摘出して作られた薬品の事。血漿分画製剤に属し、血友病などの治療に用いられる。クリオ製剤も濃縮血液凝固因子製剤も製造方法等は異なるが、どちらも血液凝固因子製剤である。

血友病・・・

 血液を固める成分である血液凝固因子中、第8因子もしくは第9因子が生まれながらに欠乏している病気の名称。第8因子が欠乏している場合を血友病A、第9因子が欠乏している場合を血友病Bと呼ぶ。治療には血液凝固因子製剤の投与による補充療法がある。遺伝が原因とされていたが、突然変異によって発症する例も多数存在する事が判明した。血友病Aの患者には第8因子製剤を、血友病Bの患者には第9因子製剤を使用する。また、他の血液凝固因子が欠乏している類似疾患も存在しており、血友病患者同様非加熱製剤の投与により、HIV感染被害を受けた被害者もいる。

血友病診断書・・・

 薬害エイズ訴訟に加わる為に必要な証拠書類の一つ。血友病(もしくはその類似疾患である)と証明する為に医師に発行してもらう必要がある。投薬証明書・感染証明書と合わせて3点セットと呼ばれる事もある。

健康管理費用・・・

 血液製剤によってHIV感染した人を対象とした友愛福祉財団が医薬品機構に委託している給付制度。

原告・・・

 一般的には民事訴訟において訴えた側の事。薬害エイズの場合、薬害エイズ被害者で提訴した人を指す。生存原告・遺族原告と、その立場によって分けて呼ぶ事もある。直接的に感染被害を受け現在生存している人を生存原告、薬害エイズによって家族が亡くなられた方の場合を遺族原告と呼ぶ場合が多いが、血友病自体が遺伝性で発病する事の多い病気である事や、血友病の治療の一つである自己注射時の家族への針刺し事故、夫婦間の性交渉などによって遺族原告であり生存原告でもあるという人もいる。本来の言葉の意味からすると、和解後は「元原告」とすべきであるが、薬害エイズ関係者の中では訴訟に加わった被害者を和解後も原告と呼ぶ場合が多い。

原告番号・・・

 薬害エイズ訴訟は異例の匿名集団訴訟である。この為、氏名等に代わり原告番号が個々に割り振られる事となった。東京と大阪では別々に提訴していた為、東京の原告番号と大坂の原告番号が重なる事がある。この為、東京HIV訴訟原告の○○番・大坂HIV訴訟の○○番といった呼び方をする場合も多々ある。

原告団・・・

 薬害エイズ訴訟は集団訴訟である為、原告団が存在している。東京・大阪の何れかに所属する事によって、訴訟に加わる事が出来る。

抗HIV薬・・・

 HIVに対して効果のある薬(逆転写酵素阻害剤やプロテアーゼ阻害剤等)の総称。

抗体・・・

 抗体とはウイルスや細菌等の病原体(これを抗原と呼ぶ)が侵入した際にそれらを排除する為に作られる免疫機能の一つであり、HIVが侵入して来た際には対HIV用の抗体が生産される。


さ行

3点セット・・・

 薬害エイズ訴訟に加わる為に必要な証拠で、投薬証明書・血友病診断書・感染証明書の3つを称して3点セットと呼ぶ事がある。裁判は証拠が必要なものであり、本当に感染しているのか?本当に非加熱製剤を投与されたのか?などの証拠書類として、医師に発行してもらう必要性がある。

三本柱・・・

 薬害エイズ訴訟支援団体は薬害根絶・恒久対策の確立・真相究明の三つをメインにアピールして活動を行い、これを三本柱と呼んだ。薬害根絶は現在もしくは今後薬害を一切起きない仕組みを作り上げて行く事を訴えており、真相究明は薬害エイズという事件が何故起きたのか?という事実の公表を求めたものであり、恒久対策の確立は、HIV・エイズに関する医療レベルの強化として全国に拠点病院を設立やHIV感染者の身体障害者認定を認めさせる事、遺族弔意事業など薬害エイズ被害者が今後生きて行く為の恒久的な措置を求めたもの。拠点病院構想は平成8年に全国の拠点病院を指定し、平成9年4月にこの構想の中核となる国立国際医療センター内にエイズ治療・研究開発センターを設置、全国に400近い拠点病院が機能しはじめた。その後、平成10年4月からHIV感染者に対して「免疫機能障害」として身体障害者認定が受けられるようになった。遺族弔意事業は、薬害根絶誓いの碑の建立や相談事業なども行われている。

CD4・・・

 平たく言うと、免疫機能の一つを数値で表したもの。この数値は治療方針等の目安の一つとなる他、障害者認定でも、この数値が関係してくる。健康な人は文献にもよるが、約1.000前後(700〜1500)と言われている。

C型肝炎・・・

 C型肝炎ウイルス(HCV)が感染する事が原因で起こる病気。HCVが発見されるまでは非A非Bウイルスと呼ばれていたウイルス性肝炎の大半はこのHCVだったのではないか?と言われている。HIVと同様の感染経路を持ち、輸血や針刺し事故などによる感染力は、HIVよりも強いとされている。また、性交渉によっても感染する可能性は存在しているが、現状では性行為による感染確率は大変という評価が行われているだけであり、感染確率までは分かっていない。慢性化しやすいのが特徴であり、感染後、肝硬変へと以降し肝癌の原因にもなる。まれに劇症肝炎になる事もある。現在日本国内の感染者数は100万人とも200万人とも言われており、過去の医療行為(複数へ同じ注射針を使用する等)によって感染が拡大したとも言われている。HCVのタイプによって完治する率は異なり、インターフェロンなど薬剤の投与によって完治する例もあれば、薬剤等の効果が期待出来ないタイプのHCVも存在している。また、非加熱製剤の投与によりC型肝炎ウイルスに感染している血友病患者も多く存在する。

市販薬(大衆薬)・・・

 医師の処方箋を必要なく一般でも購入可能な医薬品の事。テレビや雑誌などで宣伝されている薬局・薬店などで販売している医薬品はこの市販薬である。

新薬承認・・・

 日本国内で「医薬品」として販売するには、国の承認を受けなければならない。この為には安全性や効能、副作用など様々な実験が必要となってくる。一般的に1つの化学物質が医薬品として承認されるまでには約10年から20年近くかかる場合もあると言われている。日本以外の国で承認されている医薬品でも日本国内で承認されていなければ、治験等を除き医療行為で使用する事は出来ない。

処方箋薬・・・

 医師の処方が無ければ購入出来ない医薬品の事。薬店での購入は出来ず、薬剤師のいる薬局でのみ購入出来る。しかし近年ではインターネットなどを利用した個人輸入で本来なら医師の診断の元に処方されるべき医薬品が購入出来てしまうという事も起こっている。

身体障害者認定・・・

 身体障害者福祉法にのっとって、98年4月から、HIV感染者が免疫機能障害として身体障害者認定を受け、身体障害者手帳の交付を受ける事が出来るようになった。国は和解時に身体障害者認定を行う事を約束していた為に早期実現した。身体障害者認定を受ける事が出来るのは、薬害エイズ被害者のみではなく、HIV感染している人でなおかつ、国の定めた規準に当てはまる人全般である。自分の意志で受けるものである為、感染していても強制的に認定を受ける必要はない。障害に関わる医療費の控除や地方自治体が行う様々なサービスを受ける事が可能となる。また、地域の役所等への申請が必要である為、感染の事実等が地元民へ知られてしまう可能性を恐れ、取得出来ない状況の感染者も存在する。

先天性血液凝固因子障害等治療研究事業・・・

 平成元年から開始された地方自治体の難病対策の一環として行われている事業の事。平成7年までは先天性血液凝固因子障害治療研究事業として、二次・三次感染者は対象外であったが、「等」という言葉を入れる事により、二次三次感染者も対象となった。血友病や類似疾患の治療や、非加熱血液凝固因子製剤の投与が原因となるHIV感染(二次三次感染者も含む)が対象となっており、医療費の自己負担額の控除などがある。免疫機能障害が身体障害者認定に認められるまでは、この治療研究事業を利用する感染被害者も多かったが、地域の役所等への申請が必要であったため、感染の事実等が地元民へ知られてしまう恐れがある為、使用しなかったケースも多々存在する。


た行

第4ルート・・・

 非加熱血液凝固因子製剤の投与は、血友病の治療のみならず、そのほかの病気や怪我の治療にも用いられた。それが原因で起こったHIVの感染を、第4番目のルートとして、第4ルートと呼ばれるようになった。第4ルートによるHIV感染の場合にも、HIV訴訟に加わる事が出来る。なお、ミドリ十字の3人の元社長に有罪判決が下ったのは、第4ルートによって起こった感染被害を取り扱ったものである。

WFHストックホルム総会・・・

 WFHは「World Federation of Hemophilia」の略で日本語に訳すと世界血友病連盟。世界レベルの血友病患者会と想像すると分かり易いかも知れない。1983年6月にストックホルムで総会が開かれ、「現時点で、血友病の治療方法について変更の勧告をするには証拠不十分。現在の血友病治療は継続すべきである」との勧告を決議した。これに安部医師らも参加していた。また、WFHそのものが非加熱製剤を販売していた製薬企業より献金を受けていた為に製薬企業よりの発想を持っていたのではないか?とされている。

治験・・・

 新薬(新しい医薬品)が承認される為に必要な実験的投与の事。動物実験を経た後に行われる。現在治験には3つの段階が存在する。

投薬証明書・・・

 薬害エイズ訴訟に加わる為に必要な証拠書類の一つ。非加熱濃縮製剤を投与した証拠として医師に発行してもらう必要性がある。血友病診断書・感染証明書と合わせて3点セットと呼ばれる事もある。


な行

濃縮血液凝固因子製剤・・・

 数千から数万人から採取した血液を一つのプールに入れ、血液凝固因子を取り出して作られた血液製剤の事で、血漿分画製剤(多数存在する血液製剤の内、血漿成分を中心に摘出して作られた血液製剤の総称)の一種。数千から数万人のうち、一人分の血液でも何らかの血液感染する病原体が混入していれば、同じプールに入った全ての血液が汚染されてしまう。ウイルス等の対策用に加熱処理された製剤を「加熱製剤」、加熱処理されていない製剤を「非加熱製剤」と呼ぶ。血友病Aの患者には第8因子製剤を、血友病Bの患者には第9因子製剤を使用する。これを加熱処理したものを加熱濃縮血液凝固因子製剤・加熱製剤と呼ぶ。熱などで成分が壊れてしまう事のないよう、フリーズドライ製法で作られている。


は行

発症者健康管理手当・・・

 血液製剤によって感染し、かつエイズを発症した人を対象とした友愛福祉財団が医薬品機構に委託している給付制度。

針刺し事故・針の回し打ち・・・

 HIVの感染経路の一つ。針の筒の中などに、HIVが入り込んでいる血液が残っている場合があり、事故や回し打ちによって、他者に刺さった(刺した・使用した)場合、HIV感染する可能性がある。薬害エイズ被害者の中には、針刺し事故によって家族が感染被害を受けたというケースも存在している。なお、HIV以外にも血液を媒介とする感染症(人にうつる病気)は存在しており、針刺し事故や注射針の回し打ちによって感染する事がある。

ハンセン病(ハンセン氏病)・・・

過去日本でライ病と呼んでいた病気。世界各国で偏見差別を受けてきた病気である。ライ菌と呼ばれる細菌の一種に感染する事で起こる病気で、皮膚や末梢神経を侵し、知覚麻痺を起こす。感染力は非常に弱く、濃密な接触がなければ感染しない。また現在では治療法も開発され、完治する病気である。

非加熱製剤(非加熱濃縮血液製剤)・・・

 加熱処理(ウイルス対策等)が行われていない濃縮血液凝固因子製剤の事。実際には輸血用血液も血液製剤に属すので、非加熱製剤は多数現在でも存在している事になるが、薬害エイズ事件の場合、非加熱の濃縮血液凝固因子製剤を指して用いられる。

B型肝炎・・・

 B型肝炎ウイルス(HBV)が感染する事で起こる病気。性感染症の一つとしても有名で、HIVの感染経路と同様の感染経路を有するが、感染力はB型肝炎の方が圧倒的に強い。この為、非加熱濃縮血液製剤の投与によってB型肝炎の原因となるHBV感染被害が起こっている。慢性化する事は少なく、現在ではワクチンも開発されている。まれに劇症肝炎などの生命に関わる症状を示す場合もある。血液製剤の加熱処理も、本来はHBVに対する予防措置として開発されたものである。HIVが発見される以前から血液製剤による感染事実は判明しており、当時から加熱処理を行っていれば、HIVやC型肝炎への感染被害も最小限に防げたのではないかとも言われている。

被告企業・・・

 薬害エイズの原因となった非加熱濃縮血液製剤を製造・輸入・販売していた製薬会社5社の事。被告企業にはミドリ十字・バイエル・バクスター・日本臓器・化血研がある。

日和見感染症・・・

 健康な状態では感染しても発病しなかったり、発病したとしても命に別状の無い感染力等の弱い感染症だが、HIV感染による免疫不全や先天的な免疫疾患、抗ガン剤の投与による免疫障害などにより免疫機能が低下し、感染・発病すると生命の危機に関わる事のある感染症の総称。

副作用・・・

 薬は科学反応を起こす事で治療の効果をもたらす。この為、良い作用もあれば悪い作用も起こりうる。治療に必要な作用以外の有害な作用の事を副作用と呼ぶ。「風邪薬を飲むと眠くなる」なども副作用になる。薬剤や個々人の体質などによってそれぞれ副作用は異なる場合もある。また、体調や個人個人の体質によって、症状が出る出ない、軽い・重いはまちまちである。

不当解雇・・・

 HIVに感染している事が職場の人に分かった事が原因で、職場を解雇されてしまう事が、現実問題として起こっている。HIV感染感染者が別の理由を原因として解雇される例も多々あるが、実際にはHIV感染が原因である場合も多い。また、学校でも教師や生徒の無言・有言の圧力によって同様の事件(自主退学に追い込まれる等)は起きている。

 なお、HIV感染を理由とした解雇は本来認められていない。

プロテアーゼ阻害剤・・・

 HIVが増殖する際に用いられる物質、「プロテアーゼ」の働きを邪魔する薬。カクテル療法(多剤併用療法)に用いられる。

ヘモフィリア・・・

 血友病の事。

弁護団・・・

 薬害エイズ訴訟の原告側の弁護士集団の事。東京HIV訴訟弁護団と大坂HIV訴訟弁護団がある。

保健所・・・

 公衆衛生の向上などを目的として各地に設けられている公共機関。保健所では、HIVの抗体検査(エイズ検査)を匿名・無料(希に有料の場合あり)で受けられるが、日時などは保健所によってまちまちなので、確認が必要である。また、面接や電話で、保健婦による健康相談(HIVに限らず)を受ける事もできるので、「こういう症状なので、専門の病院を紹介して欲しい」等の質問や相談もできる。保健所では、相談及び検査(告知も含む)であって、治療は病院で行う事となる。

母子感染・・・

 妊娠中の女性がHIVに感染している場合、お腹の赤ちゃんにも感染する事がある。また、生まれた時には感染していなくとも、赤ちゃんは抵抗力が弱いため、母乳等から感染する場合がある。これらを母子感染という。他の感染症でも母子感染するケースは存在している。

 妊娠中に医師の指導の元、抗HIV薬の投与を受けたり、帝王切開で出産したり、母乳をさけミルクで育てる事によって、感染確率を下げる事が出来る。


ま行

ミドリ十字・・・

 和解後、吉富製薬に吸収合併された。現在はウェルファイド株式会社となっている。

無症候性キャリア・・・

 HIVに感染しているけれど、症状は出ていない状態・つまり潜伏期間の事。HIV感染後、数年から十数年間はこの状態である。ウインドウ期間を過ぎていれば、抗体検査で感染の有無が分かる。

免疫・・・

 人間には病気や病気の原因(ウイルスやカビ、細菌など)に対する抵抗力がある。その事を免疫系・免疫機能・免疫等と呼ぶ。風邪等の病気になっても治るのは、この免疫機能があるからである。HIVはこの免疫の司令官であるリンパ球の一種・ヘルパーT細胞に好んで入り込み、増殖して破壊してしまう為、免疫機能が徐々に低下してしまいエイズを発症する。つまり病気を治す為にも、病原体に感染しない為にも、とても大切な役割を持っている。また、ガン細胞の増殖を押さえる役割もあると言われている。

輸血による感染・・・

 HIVが混入している血液を輸血する事で起こる感染の事。日本では、献血で集められた血液を検査で調べ、HIVをはじめ幾つかの病原体に感染している事が分かった時点で焼却処分にしているが、ウインドウ期間中は、検査をしても分からない事があるため、平成10年10月現在、日本国内でも、輸血が原因でHIV感染した人が五件いるのではないかと言われており、その内一件は、「輸血による感染である」と確認されている。「検査目的の献血はやめましょう」と言われているのは、上記の理由で献血血液が原因で感染が起こるのを防ぐ為である。

 現在、献血によるHIVの検査結果の通知は行われていない。


や行

薬価・・・

 医師の処方によって使用・販売される医薬品は国が個別に価格を定めている。例えば国民健康保険が適応されて患者が300円支払った医薬品は、1000円と国が定めているという事になり、残り7割は国保が支払う事になる。(国保は自己負担が3割の為)

薬価差益・・・

 薬価の仕組みを利用して利潤を上げる事。例えば薬局や病院が医薬品を製薬企業から購入する場合、卸値が700円の薬品に1000円と薬価が定められていれば、300円の儲けが病院もしくは薬局に入る。この差額利益の事を薬価差益と言う。製薬企業が値引きを行い、卸値700円の商品を500円で卸せば病院・薬局の利益は200円アップする。これは国が医薬品の値段を定めている為に、700円で購入しても、500円で購入しても、患者には1000円の商品として販売する定まっているからである。この差額の利益を利用して、病院や薬局と製薬企業の癒着等も起こり得る。加熱製剤承認前後に非加熱製剤が大量に日本国内で使用されたのも、海外では販売出来なくなった非加熱製剤を日本国内で製薬企業が値引きを行い、利益の為に病院側が使用した為という理由が大きいとされている。

友愛福祉財団・・・

 正式名称「財団法人友愛福祉財団」。国と被告製薬企業の出資によって作られた。国及び被告製薬企業が薬害エイズ被害者へ救済事業を行う上での受け皿的な役割を持っているが、守秘義務等の問題から、健康管理費用や発症者手当の給付などは法的な守秘義務を持つ医薬品機構に委託している。

陽性・・・

 科学的な意味合いで言えば「反応があった」という意味。HIV抗体検査の結果として見た場合、体内にHIVに対する抗体が作られているという意味となり、HIV感染しているという意味になる。ただし母子感染の可能性がある場合、赤ちゃんに抗体だけが移行する移行抗体と呼ばれるものがある為、抗体検査で陽性と反応があったとしても必ずしも感染している証拠とはならない。

予見可能性・・・

 予見とは「前もって見通す事」という意味がある。つまり予見可能性とは、「その事態が事前に予測出来たかどうか?」という意味になり、この裁判の場合、裁判官が「安部氏が事前にこの事件が起こる可能性に気付く事が出来たかどうか?」を判断したもの。


ら行

ライ予防法・・・

 ハンセン病(ライ病)の予防の為の法律。エイズ予防法の原型は、ここから来ていると言われている。最近廃止された。この法律の中には、隔離や結婚時の去勢等の人権無視的な発想が多々あり、完治する治療方法が発見された後も、数十年間続いた法律である。


わ行

和解・・・

 民事訴訟の用語として見た場合でかつ裁判上の和解の場合、和解調書に乗っ取った法的強制力を持つ。ただし民事訴訟中であってもお互いが合意の上で裁判所外で和解した場合、法的強制力を持たない事がある。薬害エイズ訴訟(民事)は、国及び被告企業5社と、平成8年3月に和解が成立した。

 

和解一時金・・・

 和解によって一律上限4500万円と定められている。この中から弁護士費用や友愛福祉財団からの給付金等が引かれる事になる。つまり4500万円がそのまま手元に入る訳ではなく、様々な費用等が引かれた後に和解した被害者の元へ届く。

 

和解調書・・・

 和解内容を記載した法的強制力を持つ書類。被告であった国・製薬企業5社と原告団との間で恒久対策や和解に関する様々な取り決めが書かれている。

 

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