ごえの知得コーナーその1

 

 前回の勉強会で「エイズとHIVの違いが分からない」というお話があったので、今回、簡単に説明するコーナーを作ってみました。

 

HIVってなんだろう?

 まずHIVですが、これは「エイズ」の原因になるウイルスの名前です。

 日本語名「ヒト免疫不全ウイルス」と言うのですが、これはその名の通り「人の免疫機能を不完全な状態にしてしまうウイルス」という意味です。

 感染経路は限られており、「HIVの含まれた血液・精液・膣分泌液」が、粘膜や傷・炎症などに濃厚に接触したり、それらの体液が直接体内に侵入する事で感染する可能性が生じます。つまり輸血や針刺し事故、注射針・筒の使い回し、予防措置を行っていない性交渉、妊娠・出産が感染する可能性のある行為であり、逆にその他の日常的な行為では感染しないウイルスなのです。

 

エイズってなんだろう?

 次いでエイズですが、実はこれ、一つの病気を現す言葉ではありません。

 日本名にすると分かり易いのですが、「後天性免疫不全症候群」という名前が付けられています。

 これは「生まれた後、HIV感染した事が原因で免疫機能が不完全な状態となってしまい、様々な病気になってしまった状態」という意味になります。

 HIVに感染すると、徐々に免疫機能が低下して行きます。免疫機能の低下=様々な病気に対する抵抗力の低下という意味になるので、様々な病気に感染・発症しやすくなってしまいます。

 そして最終的には、日和見感染症や悪性腫瘍などに罹ってしまう状態になります。

 日和見感染症というのは、簡単に言うと、健康な状態では感染していても害にならない、もしくは感染・発症しても大きな病気にはならない病原体が、HIV感染や老化、抗ガン剤の使用などで抵抗力が低下した人が感染・発症すると命に関わる状態になってしまう様々な感染症の事を指します。

 つまりエイズというのは、HIVに感染した事が原因で、抵抗力が低下してしまい、何らかの病気になってしまった状態を言うのです。

 現在、エイズ発症時の報告の規準として23種類の病気が上げられていますが、エイズ発症の診断は最終的に医師によって行われます。

 

つまり・・・

HIV・・・エイズの原因になるウイルスの名前。

エイズ・・・HIVが原因で免疫機能が低下する事で起こる様々な病気。

という違いがある訳です。


HIV感染からエイズ発症までの流れ 

 HIV感染後、すぐにエイズを発症するという訳ではありません。

 表を作りましたので、ご覧下さい。

・無症候性キャリア

症状らしい症状がない潜伏期間(実際には徐々に免疫機能が低下して行く。平均感染後数年から十数年くらいはこの状態と言われている)注意・1

・エイズ関連症候群

体調が徐々に悪くなってくる。

・エイズ発症

免疫機能が低下した事により、何らかの病気になり、医師がエイズ発症と診断した状態

 という流れがある訳です。

 

注意1・HIV感染から約3ヶ月の間、HIV抗体検査を受けても感染の有無が分からないウインドウ期間も含みます。検査を受ける場合、感染の可能性のあった機会から3ヶ月以上経過してから受けて下さい。

 

HIV感染者とエイズ患者の違い

 HIV感染者とエイズ患者、まるで同じように思っている人も多いと思いますが、実際には違います。

 HIV感染者は「HIVが体内にいる人」「HIVが体内で生きている人」であり、必ずしも病気としての症状がある訳ではありません。

 つまり例えHIV感染者であったとしても、免疫機能が低下していなければ、症状らしい症状は出ないのです。

 上記の表に書かれている「無症候性キャリア」と呼ばれる状態だと、症状らしい症状が無い為、発病するまで感染に気付かなかった方も実際にいます。

 エイズ患者とはHIVによって免疫機能が低下し、何らかの病気を発症してしまい、医師がエイズ発症と診断された状態の人を指します。

 ですから、HIVに感染しているけれども、エイズ発症と診断されていない人の場合、HIV感染者ではありますが、エイズ患者ではないのです。

 つまり・・・

 HIV感染者=HIVが体内にいる人・感染している人・HIV保有者

 エイズ患者=HIV感染者が何らかの病気を発症し、医師がエイズ発症と診断した人

 という意味になります。

 

・ちなみに現在日本ではエイズ発症の診断指針として23種類の病気を指定しています。

 ここまで読めばお分かりの通り、薬害エイズの原因となった非加熱血液製剤の中に入っていたのは「エイズ」ではなく、「HIV」だった訳です。

 俗語としてエイズウイルスと呼ぶ場合もありますが、これはHIVを指していると思って良いでしょう。

 知得コーナーその1でした!!


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