−臨床検査技師からの声−

 HIV診療をとりまく状況は大きく変わりました。

 それは少なくとも前進?いいえ、患者さんの闘いにはまだまだ終わりはみえません。偏見、誤解からくる社会的孤独から救われていません。薬も飲み続けなければいけません。病院へ通い続けなければなりません。

 私は長い間、病院の中で検査技師として患者さんに接してきています。そして思うことの一つ、私達のできることは病院にきて少しでも悲しい想い、さびしい想いをしないで診療を受けられる環境を整えること。患者さんが関わらなければいけない医療機関の中でさえもまだまだ横柄、怠慢、冷たい態度で接する方がいます。何の理由があろうともそれらを見る度、耳にする度に胸がかきむしられるほど悲しく情けなくなります。

 原告の方々はこれらの病院で被害をうけたのです。私達はそれを忘れてはいません。電話番のお姉さん、病院の駐車場のおじさん、受付のお姉さん、お医者さん、看護婦さん、レントゲン、採血、薬、会計、掃除をしてくれている人々、病院の中で会うみんなみんなニコニコしてくれる。手を貸してくれる。穏やかでやさしい。他の科に行ってもみんなやさしい。僕はほっとする。外は雨が降ってきているけど、ちょっと気が重いけど病院へ行こう。病院にいけばちょっと安心。電話をして話をきけば安心して眠れる。そのような気持ちになってもらえるような医療環境作りが求められています。

 病院への不信感、裏切られた憤りなど消えません。でも共に勉強し、共にはたらきかけを続けましょう。         

臨床検査技師:「山の手通信」平成10年10月27日掲載より

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