薬害根絶誓いの碑に対する思い

 

 特別な思いはありません。

 誓いの碑を建てるために何度も厚生省の官僚と交渉していただいた方々には申し訳ないのですが、私にとって誓いの碑ができたからHIVやパニック障害が治る訳ではありませんし、気持ちの整理にもなりません。

 昨年10月に突然心臓の動悸が止まらなくなりました。

 精神科医に診てもらったところパニック障害と診断されました。

 ノイローゼの一つで突然心臓の動悸が止まらなったり、呼吸が苦しくなったりする病気だそうです。

 原因は、会社での自分の評価に対する不満、抗HIV薬の副作用で皮膚がただれそうになったこと、クロイッフェルトヤコブ病患者の血液が製剤に混じって入る可能性があるにもかかわらず製剤をもらった病院から何も連絡がなかったことなどです。

 家で休んでいても落ち着かず何もできず、6、7時間考え込んでいる日々が続きました。

 頭の中をぐるぐると考えが巡り止まらない状態でした。

 いつこの落ち着かない状態から解放されるかとずっと考えていました。

 カウンセラーにもかかりました。気分転換に海を眺めたり、友達と温泉へ出かけたりもしましたが駄目でした。医者から精神安定剤と眠剤を処方してもらい毎日飲んでいました。

 寝ている時間だけが何も考えずに済むので唯一の救いでした。

 朝起きて15分ぐらいすると頭が回り始めて興奮状態やうつ状態でした。

 私が何故このようなったか考えました、根底にあったのはHIVでした。

 HIVのために止めていた時間を一気に進めたことが原因です。

 会社の中の立場や将来の計画です、それを取り戻すために時間を進め過ぎました。

 今年の夏、ヤコブ病のことや非加熱製剤のことを私の中で整理する目的でT病院の医師に会いました。

 T病院が非加熱製剤について取っている態度は知っています。

 しかし、病院と言う組織の中で医師個人がどう考えているかが知りたく会いに行きました。

 その部分は整理ができました。いまも常に精神安定剤を持ち歩く生活が続いています。

 体には抗HIV薬の副作用で発疹が100個所以上できています。

 この2、3ヶ月やっと精神的にも落ち着き始め抗HIVを時間通り飲むことに慣れストレスを感じなくなってきましたが、今度は肝機能が悪くなっています。

  こんな状態ではこれからどう将来の計画を考えて行けば良いのか正直なところ不安です。

 いまの私にとっての支えは私と同じ境遇に置かれている人達がいることです。

 原告:「山の手通信」平成11年11月発行掲載より

 

〜この原稿の一部または全てを転写・転載する事を禁じます〜

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